11/16 美浜3号機の運転延長認可に抗議しました

原子力規制委員会は、11月16日午前の定例会合で、稼働40年を経過した美浜原発3号機の運転期間を20年延長する認可を下しました。

高浜原発1・2号機に勝るとも劣らず危険な美浜原発3号機がまだ稼働できるなど信じられません。

40年廃炉訴訟市民の会有志は、これに対し16日の夜名古屋駅東口で、10数人で緊急の抗議のアピールアクションを行いました。

この日は、東京の原子力規制委員会前や岐阜駅など各地でこの認可処分に対する抗議行動がありました。

 

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以下は、11・13びわこ集会の実行委員会の参加団体による、共同抗議声明です。


抗 議 声 明

美浜原発3号炉の運転期間延長認可に抗議する

 

原子力規制委員会は、本日11月16日、関西電力美浜原子力発電所3号機の40年超運転延長を認可した。安全に関わる多くの問題を置き去りにしたまま、法的期限を優先し、結論ありきで認可を下したことに、私たちは強い憤りをもって抗議する。

至近に活断層が複数存在する美浜原発3号機は、当初から耐震性に余裕がなく、認可基準を満足できるかどうかが危ぶまれていた。ところが原子力規制委員会は、審査での判断に必要な試験の先送りを容認し、厳格であるべき法的手続きを、再びないがしろにした。福島第一原発事故の教訓から法制化された「原発の運転期間40年」という原則は、もはや完全に空文化している。

半世紀も前の設計で造られ、取り替えられない圧力容器や電気ケーブル等が劣化した老朽炉をこの地震列島で稼働させるのは、あまりに無謀と言わざるをえない。
しかも、この半年余りの間に明らかになった新たな問題は放置されたままだ。
熊本地震で起きたような、繰り返しの強い揺れによる原発機器への影響は考慮されておらず、美浜原発3号機では疲労破壊が懸念される箇所も存在している。基準地震動についても、現在採用されている計算式では著しい過小評価になると指摘されているが、全く見直されていない。

原子力規制委員会が審査の対象とするのを避けた住民の避難計画にも、大きな問題を抱えている。熊本地震では、原発震災が起きた場合、避難手段やルートの確保は難しく、被ばく防護の手段と考えられた屋内退避そのものが新たなリスクとなることも判明した。また、重大事故を想定した福井県と京都府の防災訓練は、福島原発事故の反省もリアリティも欠如し、原発災害対策の困難さ、行政の能力の限界を浮き彫りにした。福島原発事故から5年余が経過し、小児甲状腺ガンをはじめとする健康被害が明らかになりつつある中で、必要とされる安定ヨウ素剤の事前配布も全くできていない。

原子力規制委員会は、このように山積する問題に蓋をして、強引に美浜原発3号機の延長運転を認めた。福島原発事故の教訓はどこに行ったのか。

美浜原発は琵琶湖に最も近い原発であり、ひとたび重大事故が起きれば、風下に位置する中京圏の被害は甚大となるだけでなく、関西圏1400万人の命の水源を放射能汚染で失うであろう。自分たちの命の問題について、黙っているわけにはいかない。

私たちは、福島原発事故の悲劇を二度と繰り返さないために、これからも美浜原発3号機をはじめ危険な原発の廃炉を求めて訴え続けていくことを抗議とともに宣言する。

2016年11月16日

「老朽原発美浜3号も廃炉へ!11・13集会実行委員会」

[ふるさとを守る高浜・おおいの会/ 原発反対小浜市民の会/ グリーン・アクション / 原発なしで暮らしたい丹波の会/ ネットワークあすのわ/ よつ葉デリバリー京滋/ 美浜の会/ 避難計画を案ずる関西連絡会 / さよなら原発・ぎふ/ 高浜原発40年廃炉 ・名古屋行政訴訟を支える市民の会/ 国際環境NGO FoE Japan/ グリーンピース・ ジャパン/ 福島老朽原発を考える会/ 原子力規制を監視する市民の会]

連絡先 原子力規制を監視する市民の会
東京都新宿区下宮比町30-12-302
TEL:03-5225-7213  FAX:03-5225-7214

グリーン・アクション
京都市左京区田中関田町22-75-103
TEL:075-701-7223 FAX:075-702-1952
E-mail: info@greenaction-japan.org


以下は、40年廃炉訴訟市民の会の有志による抗議声明です。

   老朽原発美浜3号 延長認可に抗議する!

原子力規制委員会は、高浜原発1・2号機に続き、美浜原発3号機についても、40年を超えた運転を認める認可を本日出されました。

福島第一原発事故の教訓から法制化された「原発の運転期間40年」という原則は早くも形骸化し、厳格であるべき法的手続きも、期限が優先され軽視されています。地震列島の日本で原発を稼働することの危険性は言うまでもありません。ましてや40年以上前の古い設計で造られ、取り替えできない圧力容器や電気ケーブル等が劣化した老朽原発の寿命延長は、あまりに無謀です。

さらに、この半年余りの間にも、原発の安全性を揺るがす新たな問題が次々と指摘されています。
熊本地震では、原発震災が起きた場合、避難手段やルートの確保は難しく、屋内退避も非現実的であることが証明されました。そして、耐震安全性については、繰り返しの強震動による原発機器への影響が考慮されていないこと、基準地震動の算定に採用している計算式では著しい過小評価になること等も明らかになりました。
また、福井県や京都府で行われた重大事故を想定した防災訓練は、福島原発事故 を省みることもなく、リアリティに欠けたものでした。原発災害対策の困難さ、行政の能力の限界が浮き彫りになりました。
フランスで発覚した日本鋳鍛鋼(株)製の原子炉圧力容器や蒸気発生器といった安全上非常に重要な機器の部材の強度不足の問題についても、日本では実機の検査をしないまま稼働が許されています。     こうした多くの問題を抱えながら、関西電力は会社の利益を優先し、老朽原発にムチ打つ計画なのです。

ひとたび原発の大事故が起きれば、拡散した放射能が容赦なく大地や海に降り注ぎます。被ばくによる健康被害の問題だけでなく、人々の暮らしや人生さえも奪ってしまうのです。私たちはそのことを福島で起きている現実や避難を余儀なくされた方の体験からも学びました。

若狭の原発で事故が起きれば、風下地域である中京圏は計り知れない被害を被るでしょう。この地息で永々(えいえい)と続いてきた人々の営みや歴史・文化も失われます。何より関西圏1400万人の命の水源である琵琶湖・そして中部圏830万人の命の水源である木曽三川(木曽川・揖斐川・長良川)が放射能で汚染されたら、代わりになるものはありません。

福島原発事故の悲劇を繰り返さないためにも、私たちはまず、極めて危険な老朽炉である美浜原発3号機の運転期間延長認可を中止し、高浜原発1・2号機とともに廃炉にすることを求めます。
そして、「40年ルール」の例外を一機たりとも許さず、一日も早く脱原発社会を実現することを強く求めます。

2016年11月16日

「40年老朽原発廃炉・名古屋行政訴訟を支える市民の会   有志一同

 

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