6/9 岐阜県知事への申し入れ行動の報告

【報告】昨年の申し入れからちょうど1年
未だ回答ない岐阜県知事に申し入れ
「老朽原発再稼働を容認しないことを表明してください」

 

昨年6月9日、40年廃炉訴訟市民の会は、さよなら原発・ぎふと共同で、岐阜県知事に対し、老朽原発再稼働を容認しないよう申し入れを行いました。
(→ http://toold-40-takahama.com/2021/06/22/0609gifu/ )

しかし、この間、岐阜県からは何ら反応がないことから、ちょうど1年後の6月9日に再度同じ内容の申し入れを行いました。さよなら原発・ぎふからは代表の伊藤久司さんほか5名、当会からは草地共同代表、柴山が参加しました。岐阜県は、原子力防災室の桂川室長(昨年の永井室長は異動)と柘植係長が対応。

内容は昨年と同じなので回答を求めておいたのですが、当日、桂川室長から回答はありませんでした。

申し入れ事項は2点です。

 

1.岐阜県として、説明会を開催してください。

岐阜県では、これまでに高浜1・2号機及び美浜3号機再稼働に関する説明会が行われておらず、岐阜県民にはほとんど知らされていません。是非、岐阜県として、公正・公平な立場での説明会を開催して下さい。

2.具体的な避難計画が示され県民の納得が得られないうちは、老朽原発再稼働を容認しないことを表明してください。

 

当会からは、前回以降に裁判でわかったこととして、監視試験片原データが提出されて、破壊靭性試験が、各回、母材か溶接金属化どちらかしかやっていない、データも極めて少ないというあまりにもずさんに行われていたことを岐阜県に伝えました。関連する準備書面も資料として提出しました。

関電破壊データ

20220407 準備書面(84)破壊靭性値データの不足

↓こちらの4ページ目の表

20220203 参加人関電 高浜 準備書面(13)

 

岐阜県の説明は、

・即答は難しい。後日回答する。(関電は美浜3号機を10月に再稼働すると言っているので、早期の回答を求めたが、いつまでとは答えず。)

・知事も昨年の申入書は読んでいて、知事としての見解は、「安全性の確保が大前提だが、安全性は国が判断する。説明責任は国にある。」

・岐阜県が30km圏となる美浜3号機については、規制庁から2020年の岐阜県防災会議原子力専門部会で説明を聞いた。そして、同部会で安全を確認した。

・(30km圏の)揖斐川町では住民説明会はやった。

というものでした。

こちらからは、岐阜県の放射性物質拡散シミュレーションからして30km圏でおさまらないことは明らかなのだから、国の説明や岐阜県の専門部会で確認した内容を県民に説明してほしい、その場合には、県民の質問にきちんと答えられる専門家を出席させてほしいということ、また、原発の安全性を確認したとしても、東電福島原発事故を受けて、事故は起きるという前提で対策をすることが求められていて実効性ある避難計画が必要であること(水戸地裁は原発の安全は認めながらも実効性ある避難計画がないとして差し止めを認めた)を訴えました。

また、裁判でわかったずさんな試験の問題について、専門部会の委員にお知らせしてほしいと要望しておきました。

さらに、美浜3号機の安全を確認したという原子力専門部会ですが、今年2月17日の会議開催発表は2月15日で、傍聴申し込み期限が翌16日17時まででした。これではとても傍聴できないので早めの発表と、オンライン会議だったので録画の公開も求めました。

ちなみに申し入れの会場となった岐阜県防災センターは、災害時の県庁のバックアップ施設だそうですが、放射性物質を防ぐフィルター付き換気設備等はなく原子力防災の機能はないとのことでした。

 

岐阜県

令和3年度第2回岐阜県防災会議原子力専門部会を開催します
2022年2月15日更新
https://www.pref.gifu.lg.jp/site/pressrelease/205280.html

防災会議原子力専門部会
https://www.pref.gifu.lg.jp/page/13368.html

 


2022年6月9日

岐阜県知事 古田 肇 様

関西電力高浜原子力発電所1・2号機及び美浜原子力発電所3号機の
運転再開に関する申し入れ書

 

さよなら原発・ぎふ・・・・・・
代表 伊藤  久司
老朽原発40年廃炉訴訟市民の会
共同代表 草地 妙子   茶畑 和也

 

昨年6月9日に、運転開始から40年を超える関西電力高浜原子力発電所1・2号機及び美浜原子力発電所3号機の運転再開に関し、申し入れを致しましたが、ご回答をいただいておりませんので、再度申し入れをさせていただきます。

岐阜県は、美浜原子力発電所から県境まで約28kmの位置にあることに加え、若狭湾方向から風が吹く日が多いことから、もし美浜原子力発電所で大事故が起これば、甚大な放射能汚染に曝される地域です。2012年9月に岐阜県が実施・公表した「放射性物質拡散シミュレーション」(敦賀原発の位置で東京電力福島第一原子力発電所事故と同様の放射性物質の放出が起きたと仮定)は、とても良い取り組みだったと思います。その結果によれば、気象条件などが最も悪いケースでは、大垣市の中心部で年間110mSv、岐阜市の大部分で20mSv~100mSvという汚染に曝されるという計算が示されています。

しかし、このような深刻なシミュレーション結果でありながら、残念ながら岐阜県民に周知されているとはいえません。住民避難の具体的な計画もありません。何の説明も備えもないまま、岐阜県民は老朽原発再稼働というリスクを負わされようとしています。

どの原発も安全ではありませんが、とりわけ老朽原発は事故のリスクが格段に高まります。福島第一原発事故以降、「原発の事故は起こり得るもの」として対策をとることが求められています。岐阜県といたしましても、具体的なリスクが想定される以上、県民の安心・安全のための対策や説明がなされないまま再稼働を黙認するようなことがあってはなりません。

以上の理由から、下記の事項を申し入れます。

 

1.岐阜県として、説明会を開催してください。

岐阜県では、これまでに上記の原発再稼働に関する説明会が行われておらず、岐阜県民にはほとんど知らされていません。是非、岐阜県として、公正・公平な立場での説明会を開催して下さい。

 

2.具体的な避難計画が示され県民の納得が得られないうちは、老朽原発再稼働を容認しないことを表明してください。

 

以上、前回老朽原発の危険性等に関する資料として、「2021年4月26日付福井県知事あて緊急要請書」を提出しましたが、今回はその続報として裁判で新たに分かった事実に関する資料を添付しますので、ご参照願います。


 

 

 

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